次世代の太陽光発電 比較
大地をいじめて、環境調和型農業への道食料輸入の拡大は、地球環境の面からいっても大変な問題を引き起こしている。
「食料の輸入は大地の輸入である」とわれわれはしばしばいう。
牛肉や、米やトウモロコシ、小麦といった生産物を輸入しているが、これは実は土壌の豊かな成分を輸入することを意味しているのである。
その結果、日本には過剰な窒素がどんどんたまってくる。
いまや日本は世界最大の窒素の肥だめになっているという表現がぴったりくる。
日本でつくられる野菜の見栄えは非常にいい。
しかし、そのためにかなりの無理と無駄が生産現場で行われることになる。
窒素をたくさん与える。
化学肥料だけでなく、味をよくするために堆肥も鶏糞もたくさん与えるが、しばしば土壌は窒素過剰となってしまう。
それは地下水をも汚染する。
環境庁の基準でふて赤信号がつくような地下水の汚染が日本の各地で検出されている。
あるいは、野菜や果物が、これ以上の窒素はいらないと悲鳴をあげている。
硝酸性窒素が過多の野菜が市場に出回っている。
化学肥料をやりすぎると、ビタミンやミネラルなどが大幅に減少するという調査結果も出されている。
見栄えのよい、市場価値の高い野菜を流通させるための無理が、そういう構造をつくってしまう。
近代農法は、環境負荷を高め、作物や消費者に負担をかける形で発展して蝋きた。
しかも農家は本当は農薬など、これ以上は撒きたくないという。
お金もかかるし、労力もかかるし、農薬のケースでは自分の身が一番危険にさらされる。
なのに撒かなければならないこの理不尽さ。
外観、見栄えがよくないと流通させてくれないという市場システムにも問題があったことは間違いない。
本物をつくり、本物を消費者に届けるというのは、この市場競争の世界においてそう簡単な話ではない。
しかし、人之は本物の食料が欲しい、健康につながる安全な食生活を送りたいと願っている。
資源を劣化させれば、農業は長く続かない。
今年だけ、あと2、3年だけ農産物がよく穫れればそれでいい、というのでは食料生産はだめなのである。
人類が種として生き続けるとの前提に立てば、何世代も、あるいは日本の稲作がやってきたように何千年もの間、リサイクルしながら使わないと、21世紀すらおぼつかない。
いま、このような物質循環のシステムをいかにして回復させるかが問われているのである。
「アリの一穴」が田んぼをつぶすといアリでもモグラでも、一つ穴をあければ水田は水を蓄える機能を失う。
やがてそこからほころびがきて、土砂崩れが多発したりする。
逆に、水田があれば、降った雨の8〜9割近くが洪水とならずに一時貯留する。
やがて数日から数十年、時には百数十年かかって下流に水を流していく。
琵琶湖の底からいま出てくる湧き水の調査をすると、何と200年前に降った雨の水だという。
それほど水の循環システムは微妙なものであり、貴重なものである。
しかも、そのシステムの中に、農業が大きく関与していることは明白である。
日本農業にも、すでにさまざまな環境問題が顕在化しつつある。
このような農業と環境とのかかわりの中で、今後の食料供給の仕組みを考えなければならない。
いま短期的な利益を追求するあまり、将来とてつもなく高い食料という買物を日本人は背負い込むことになるかもしれないのである。
もちろん確率的には食料危機が日本を襲う可能性は高くないかもしれないが、日本農業にとっての正念場を迎えつつあることは確かであろう。
そしてそこに環境問題への対処という大きなキーワードが問われている。
環境問題は、人類の生存にかかわる問題であって、冷戦終結後の最優先課題である。
個人、企業、団体、地域社会、自治体、国のいずれもが、また、生産者であろうが消費者であろうが、とにかくすべての層とレベルで環境問題となんらかのつながりをもっている。
地球を守る活動では「全員参加」が求められるが、特に資金、技術、人材を有し社会経済活動に大きな影響力をもつ企業の役割は大きい。
1990年の12月に経団連会長に就任したHI外4氏は、自らの「共生」の哲学に基づき、「企業と個人」「企業と社会」「企業と世界」「企業と自然」の共生を訴え、キーワードとして「地球・市場・人間」を掲げ、地球環境問題への積極的対応を主張した。
HI氏のリーダーシップのもとで、経団連は1991年4月「経団連地球環境憲章」を発表した。
これは日本の産業界が、初めて地球環境問題への基本的な取組姿勢を宣言したという意味で画期的なことであり、社会に大きなイン。
ハクトを与えた。
その後、私自身が1992年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」に経団連ミッションの団長として参加し、また、経団連自然保護基金運営協議会の初代会長に就任することになり、地球環境問題に深くかかわることになった。
そこで、本稿においては、私は企業人の立場から、企業と環境問題について考えてふたい。
現在の環境問題は、ゴミ問題などの身近な問題から、企業による産業公害、そして地球温暖化やオゾン層の破壊などの地球的規模で発生・拡大する「地球環境問題」まで、非常に多様化かつ複雑化している。
環境問題というと、欧米では自然保護がその中核を占めてきたが、日本では公害問題だとかつては思われていた。
日本の公害の歴史を振り返ると、明治の初めに栃木県で足尾銅山鉱毒事件が発生し、田中正造議員が国会で初の公害質疑を行い、これが日本における公害問題の始まりとなった。
時代が大きく下って昭和30年代以降、日本の4大公害病(富山イタイイタイィ病、熊本水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく)が発生し、全国的に公害問題が深刻化した。
1967年、ようやく公害対策基本法が制定されたが、当時は産業界の抵抗で「経済との調和条項」が加えられ、十分な力を発揮しえなかった。
1970年に公害国会が開催され、公害対策基本法の改正も含めて公害対策関連の14法案が一挙に成立し、翌1971年には環境庁が設置されている。
企業も社会的責任を問われる中で、公害防止投資をしなかった場合の「つけ」の大きさを認識するようになっていった。
わずかな投資を惜しむ、被害を甚大化させていった不幸な経験は風化させてはならず、その教訓は日本のみならず東南アジアをはじめとする途上国に正しく伝えていくべきだと思う。
環境庁有志によるレポート『日本の公害経験』(地球環堵涯済研究会編箸市販版は合同出版刊)においても、たとえば硫黄酸化物の公害対策を全く講じなかった場合に生じたと思われる被害の大きさ年額約6兆円)は、公害対策に実際要したと推計される費用(年額約4800億円)をはるかに超えるとしている。
1974年における日本企業の公害防止投資額をみると、GNPに占める割合は1.0%となり、アメリカの0.4%、西ドイツの0.3%を大きく引き離している。
まず、公害問題においては影響の及ぶ範囲が地域的であり、時間的にも一定の限度があるが、一方、地球環境問題の場合、影響は地球規模であり、時間的にも影響が将来の世代にまでも及ぶという問題である。
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